顎顔面補綴治療装置の種類

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顎顔面補綴治療で使用する装置

顎顔面補綴治療で使用する装置

顎顔面補綴治療では、患者様の欠損部位や範囲、症状に応じて複数の種類の補綴装置を使用します。1つの装置で治療が完結するケースもあれば、複数の装置を段階的に組み合わせながら機能の回復を目指すケースもあります。

大阪府箕面市のやまもとまさ歯科クリニックは、顎顔面補綴治療を専門とする院長のもと、患者様お一人おひとりの状態に合わせた装置の選択と作製に取り組んでいます。

顎義歯(がくぎし)

顎義歯は、口腔がんの手術や交通事故などの外傷、先天性の異常によって顎の骨(上顎骨・下顎骨)を欠損された方に対して作製する、特殊な入れ歯です。通常の入れ歯治療と基本的な作製の流れは共通していますが、骨や組織の欠損状態は患者様によって大きく異なるため、形状と機能をゼロから設計します。

上顎の顎義歯

口腔がんの手術などで上顎骨を切除した場合、口腔と鼻腔が繋がった状態(交通)が生じることがあります。食事の際に食べ物が鼻に抜けてしまったり、うまく発音できなくなったりと、日常生活に大きな支障が生じます。

上顎の顎義歯は、この交通している部分を塞ぐ機能を持ち、口腔の気密性を保つことで発音や嚥下(えんげ:飲み込む動作)の改善に繋がります。単純に「穴を塞ぐ」のではなく、欠損した部分の形状をうまく活用して気密性を確保するという専門的な設計が求められます。

下顎の顎義歯

下顎骨を欠損した場合は、変形した顎のラインに合わせて入れ歯を作製します。咀嚼(そしゃく)機能の回復に加えて、顔貌の変化を補う観点からも設計を行い、外見面を含めたQOL(生活の質)の向上を目指します。

舌接触補助床(ぜつせっしょくほじょしょう)

舌接触補助床は、舌の動きを補助するために上顎に装着する補綴装置です。装置と舌が接触することで舌の動きをサポートして、発音や嚥下の改善を目指します。

対象となる症状は大きく2つです。1つ目は、舌がんの術後などで舌を失われた方で、この場合は恒久的な装置として作製し、長期にわたって発音・嚥下をサポートします。2つ目は、脳梗塞後の麻痺などで舌の動きが低下した方で、こちらはリハビリテーションとして活用し、機能の回復とともに装置の使用を終えることを目指します。当院ではリハビリテーション病院からのご紹介も受け入れており、退院後に継続的なサポートを必要とされている方にも対応しています。

当院では大学時代より連携している言語聴覚士(ST:Speech Therapist)とともに、発音・嚥下の評価を行いながら、患者様の状態に合わせた装置づくりを進めています。

エピテーゼ(顔面補綴)

エピテーゼとは、手術や外傷などで鼻・頬といった顔の一部を欠損された方に対して、シリコン等の素材で作製する顔面補綴装置のことです。患者様の肌の色や形状に合わせて個別に作製するため、外見の自然さを大切にした仕上がりになります。装着によって外出しやすくなった、社会復帰の一歩を踏み出すことができたというケースも多く、QOLの向上に大きく貢献する装置です。

当院では、エピテーゼに関するご相談を承っております。患者様の状態やご希望に応じて、専門の歯科技工士との連携のもと、最適な対応をご案内します。

箕面市のアピアランスケア助成金について

箕面市では、がんの治療や事故などによって外見に変化が生じた方を対象に、アピアランスケアへの独自の助成金制度を設けています。大阪府内で初めて導入された制度であり、エピテーゼをはじめとする補整具の購入費用の2分の1(上限50,000円)が助成されます。対象はお一人につき1回となります(人工乳房は片側につき1回)。

費用面でのご不安からエピテーゼの作製をためらっておられる方にとって、ぜひ活用していただきたい制度です。詳しい申請方法や対象要件については、箕面市の担当窓口にてご確認ください。

アピアランスケアとは?

アピアランスケアとは、がんの治療や事故などによって生じた外見の変化(脱毛・皮膚の変化・体の一部の欠損など)に対して、見た目を整えるためのケアや支援を行う取り組みのことです。外見の変化が心理面や社会生活に与える影響を軽減し、QOLの向上を目的としています。

インプラントについて

顎顔面補綴治療においてインプラントを補綴装置の支台として活用するケースでは、指定医療機関での実施が必要となるため、当院から大学病院等へご紹介して、連携して治療を進めます。条件によっては保険適用での対応が可能なケースもあります。

なお、通常の歯の欠損(虫歯・歯周病・外傷など)に対するインプラント治療は当院でも実施しています。

費用・保険について

顎義歯治療は保険適用となります。費用は通常の入れ歯治療より高くなりますが、より質の高い素材を使用した自費診療での作製も可能です。費用の詳細については、診察時に丁寧にご説明します。

顎顔面補綴を目的としたインプラント治療も、指定病院をご紹介して連携することで保険適用となる場合があります。

できること・できないことを、誠実にお伝えします

顎顔面補綴治療は、失った骨や組織の状態によって、回復できる機能の範囲が患者様ごとに異なります。そのため、治療を始める前に「この状態でどこまでの回復が見込めるか」を、検査データをもとに丁寧にご説明するようにしています。

治療への期待は大切なことですが、事前にしっかりと見通しを共有しておくことが、治療後の安心にも繋がると当院は考えています。また、当院での対応が難しいと判断した場合は、適切な専門医療機関へご紹介します。

顎顔面補綴治療に限らず、当院では治療を始める前に「この治療で何ができて、何ができないか」を丁寧にご説明することを大切にしています。

顔やお口の変化にお悩みの方へ

顔やお口の変化にお悩みの方へ

顎義歯は一見すると複雑な特殊装置のように感じられますが、作製の基本的な考え方は通常の義歯と共通しています。大切なのは、骨や粘膜の欠損という複雑な状態を正確に把握したうえで、その方の生活に寄り添った装置を丁寧に作り上げることです。

当院では歯科技工士と密に連携しながら、患者様の口腔内の状態に適した義歯を作製しています。また、言語聴覚士や管理栄養士とも連携して、装置の作製から食事・発音のリハビリまで包括的にサポートする体制を整えています。

顎顔面補綴治療の装置に関することで、ご不明な点やご不安なことがございましたら、やまもとまさ歯科クリニックへお気軽にご相談ください。

 山本 雅章

執筆者

やまもとまさ歯科クリニック

院長山本 雅章

経歴

  • 1996年私立東大寺学園高等学校卒業
  • 2007年大阪大学大学院歯学研究科卒業
  • 2007年大阪大学医学部特任研究員
  • 2008年大阪大学歯学部附属病院医員
  • 2010年大阪大学大学院歯学研究科助教
  • 2018年濱本歯科口腔外科クリニック勤務
  • 2020年やまもとまさ歯科クリニック開院
  • 現在大阪大学大学院歯学研究科招へい教員
    東洋医療専門学校非常勤講師(顎顔面補綴学)
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口腔がんの手術後に行う失った機能の回復をめざす顎顔面補綴治療
当院が取材されました

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